くるくる日本史

歴史上の色んな人物を紹介していきたいです。他には社労士受験について、QUEENについて、いろいろなことをゆるっと投稿していきます。

BUMP OF CHICKEN 『太陽』を考える

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2004年発売アルバム「ユグドラシル」に収録されているこの1曲

 

ユグドラシルは乗車権、ギルドなど社会の闇を若干感じる曲がある反面、

車輪の唄やスノースマイルなど爽やかな曲が多いアルバムのように思えます。

 

そのなかでも太陽はかなり深みのある曲でこのアルバムの実質ラスト曲(正確にはmidgard)ロストマンへのバトンをつなぐ役割を果たしていると思います。

 

今回はその名曲「太陽」の歌詞の考察をしていきたいと思うのですが

完全に主観なので、解釈違いがある場合はブラウザバックでお願いします。

 

 

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二度と朝には出会わない

窓のない部屋で動物が一匹

ドアノブが壊れかけていて

触れたら最後取れてしまいそうだ 

 この曲の主人公は「」なのですが、冒頭の歌詞では「動物が一匹」と表現されています。もはや人間でもなくなるほど何か深い傷を負って、自分の心はあと一押し何かが起これば粉々に砕けてしまうほどの状態なのでしょうね。

希望の朝が来ることなく、ずっと暗くて冷たい部屋に一人閉じこもっている主人公の姿が思い浮かびます。

 

空のライトが照らしてくれた

僕には少し眩しすぎた

そして誰もが口をそろえて

「影しか見えない」と言った 

 この部分は「僕」の過去の話でしょうか。空のライト=太陽

外の世界にいたとき、その世界は自分には眩しすぎて周りは「僕」の本質を見るんじゃなくて容姿や態度など「僕」じゃない部分だけしか見てもらえなったのかな。

それが積もり積もってでも不器用だからうまく表現できなくなって心を閉ざしてしまったのではないかと多います。

 

二度と朝には出会わない

窓のない部屋で心臓がひとつ

目を閉じても開いてみても

広がるのは真っ黒な世界 

 2番の歌詞から「動物が一匹」から「心臓が一つ」になっています。

「僕」なりにこの状態から抜け出そうとしているのが感じられます。

なんとかもがくけどやっぱり真っ黒な世界が広がっています。

君がライトで照らしてくれた

暖かくて寒気がした

光の向こうの君の姿が

僕には見えないと知った 

 そんななかこの曲の中にもう一人の登場人物である「君」が出てきます。

「僕」にとって唯一の大切な何か。友人(人間)かもしれないし、夢や希望といったものかもしれないけど、「僕」を形作るなにか。たぶん後者だと思います彼にとってはすべてが真っ黒に見える世界の中で唯一太陽のように自分を照らしてくれるような存在の「君」が手を差し伸べてくれてくれているけど、いまの「僕」には眩しすぎてその姿さえも捉えられないし、自分がこの真っ黒な世界から抜け出した向こうの世界なんて想像もできない。

 

 

前半の歌詞からして、「僕」は完全に自分の世界に閉じこもってしまっています。

でも誰かにこの部屋を見つけてほしくて連れ出してほしい。助けてほしい。

かくれんぼしてた 日が暮れてった

見つからないまま 暗くなっちゃった

皆帰ってった ルララルララ

かくれんぼしてた ずっと待ってた 

 

例えば信じてくれよ こっちはなおさら疑うさ

それより触ってくれよ 影すら溶けていく世界で

影じゃない僕の形を 

 中盤の歌詞からもそれを感じ取れます。

 

誰を言うわけではないけど、「誰か」もしくは「何か」が本当の自分を探し出してくれるのを信じてずっと待っていたんんですね。

君のライトを壊してしまった

窓のない部屋に来てほしかった

それが過ちだとすぐに理解した

僕を探しに来てくれていた

光の向こうの君の姿が 永遠に見えなくなってしまった

それが見たかったんだと気づいた 

 実は一人孤独な世界でもがいている間も「君」は「僕」を探しに来てくれていました。探すというよりも本当は自分が見えなくなっているだけでそばにいてれたのかもしれません。

けど「僕」はそれを拒絶したのか、もしくは気づくことが出来ていなかったのではないかと思います。

なんで助けてくれないんだ、と思っていたけど「君」は実は一番そばにいてくれたんですね。でもその君の姿は自分からこの真っ黒な世界から出ていかないと永遠に見えなくなってしまうわけです。

「ギルド」という曲もそうなんですけど、その場所から一歩も動かないでただ助けを求めるだけじゃダメなんですよね。あなたがここまで来てくれたら、そのときは思いっきり私があなたをその闇から引っ張りだすからまずはそこから出ておいでっていう曲がBUMPには多いとおもいます。ただ甘やかすだけじゃそれは本当のやさしさじゃないですもんね。

もう一度朝と出会えるのなら

窓のない部屋に人間が一人

ドアノブが壊れかけていて

取れたら最後 もう出られはしない

出れたら最後 もう戻れはしない 

 最後の歌詞ではついに「心臓が一つ」から「人間が一人」になっています。

「もう一度朝と出会えるのなら」という歌詞から、もし自分にも最後に希望があるならあと少しだけ外の世界に踏み出してみようかという覚悟と希望が伺えます。

でもこの閉じこもっている自分の真っ暗で冷たい部屋はもともとドアノブが壊れかけています。これが壊れてしまったら一生自分はここから抜け出すことは出来ない。もしドアノブに手をかけて外の世界に出てしまったらもうこの自分を守れる唯一の部屋には戻れないかもしれない。

そのまま何も動かずに傷つかない安全な場所で一生を過ごすか

また何度も傷ついてしまっても希望を求めて外の世界に飛び出すか

それは主人公の「僕」次第なのです。

 

この「太陽」の次はBUMPの作詞作曲担当の藤原さんが完成するまでに9カ月かかった「ロストマン」という曲です。

破りそこなった 手作りの地図

シルシを付ける現在地

ここが出発点 踏み出す足は

いつだって初めの一歩 

 太陽とロストマンの曲の主人公が繋がっているかどうかは定かではありませんが、

もしつながっているとしたら、「僕」は全てを受け止めて一歩を踏み出したようですね。

でもロストマンの冒頭の歌詞で

君を失ったこの世界で 僕は何を求め続ける 

 とあるので太陽から続いて主人公は同じなのかもしれません。

あとこの歌詞を見る限り、太陽の歌詞の「君」は僕の夢とか希望なのかなと感じました。